お月見イベント発動から二日目、おそらく今日がイベント最終日であろう。BEX特捜隊(仮称)
所属隊員番号002おこじょは、最終日の「何か」を求めてフラフラさ迷っていた。一頻りユー銀
をふらついたおこじょだったが変化は何もない。只々、人々が水面に映る月を眺めながらの談笑が
あるだけである。
おこじょ:むー、はずれかー
前日と特に変わらぬ、月夜のユー銀。あきらめて、ブリ行きのゲートをくぐる事にする。くぐった
先のブリ西畑には、昨日と同じプールが二つの月を映し出しており、酔っ払いがちらほらしている。
がっかりなおこじょ。だが、そこにある昨日と違う風景をおこじょは見逃さなかった。プールの向こ
うに人だかりが出来たいたのである。

おこじょ:なにやってるんですか??
見物客:賭博だよ
おこじょ:ふむふむ
どうやら、スカラブレイにある酒場のマスターが博打を行っていたようだ。大層な人気で、あたりに
は人の輪が出来るほどだ。しかも、このマスター中々に強いようで、かなり儲けているらしい。
ほけっとおこじょが眺めていると、また一人マスターに敗れ去った。
おこじょ:ふーん、つよいんだー
マスター:やるかい?
おこじょ:むむ
なんと、何気につぶやいたおこじょに、マスターからお声が掛かったのだ!どよめく観衆。喜ぶおこ
じょ。しかし、喜びも束の間だった。おこじょは気づいていたのである。勝負中のマスターの目、サ
イの振り、なによりかもし出す雰囲気。どれをとっても素人のそれとは大きく異なる。
バイニン
おこじょの体に戦慄が走る。だが、おこじょとて幾多の死線をくぐり抜けて来た(すぐ死んで万年グ
ロリアス止まりなのは内緒だ)バードの一人。むざむざ背を見せるわけには行かない!・・・と、その時
マスター:10Kだよ
おこじょ:へ?
マスター:掛け金は10K、無ければ所持金でいいよ
おこじょ:!!!!
どうやら、この一発勝負は掛け金が10Kらしい。でも、その時のおこじょは見事のまでに文無しだっ
た。なんという事だ!10Kどころか、はした金すらありゃしない。こんな終わり方があっていいのか!
いや、あまりにも無様すぎると脱兎の如く、バンクへと飛んで行く。大慌てで、10Kを受け取り、す
ぐさま賭場に駆け戻った。丁度その頃、マスターは新たな挑戦者を退けている所だった。意気揚揚と椅
子に座るおこじょ。にやりと笑みを浮かべるマスター。泣いても笑っても一回こっきり、最初で最後の
一発勝負!その火蓋がいよいよ落とされる!!